三陸国際ガストロノミー会議2020 三陸と世界をつなぐ『食』のキャラバン 取材レポート <No.2>

人気シェフとともに、三陸の美食を生み出す生産者の元を訪れました!

  • 大槌町
  • 釜石市

こんにちは。三陸DMO@イーティです。

三陸と世界をつなぐ『食』のキャラバン取材レポートの第二弾です。どうぞご覧ください。

※不定期に掲載します

参考:三陸国際ガストロノミー会議2020 三陸と世界をつなぐ『食』のキャラバン 取材レポート <No.1> はこちらです↓↓

https://sanriku-travel.jp/fun/area_report/p3565

 

<三陸と世界をつなぐ『食』のキャラバン>

 

③東京大学大気海洋研究所 国際沿岸海洋研究センター (大槌町赤浜)

【訪問先参加者:センター長・教授 青山潤様】

到着後青山教授より早速、エントランス天井に描かれた壁画について説明を頂きました。

この壁画は、現代アート作家のオオコジママキ氏によって描かれたもので、ドンコや鮭など三陸の魚を書き足し、三陸の海のイメージを出したとのこと。また建物についても説明があり、1・2階は(津波の危険性があるため)人が常駐しておらず、3階は流されてダメなものを置いているそうです。

その後、青山教授より日ごろ取り組んでいる地域活性化活動についてのお話がありました。

三陸地域は、震災前から水産業の衰退、過疎化、漁師の高齢化が進んでおり、震災後さらに海の価値が低下することが懸念されていました。そこで東大海洋研では、2018年度から地域に住む学生を対象に、海をベースに故郷を見直す新たな授業「海と希望の学校in三陸」を立ち上げ、ローカルアイデンティティを再構築する事業に取り組み始めました。その具体的な取組の一つに、三陸鉄道を貸し切って、地元の学生に乗車頂き車内でワカメの話が聴ける企画列車「三鉄ワカメ列車」があります。地元の風景を車窓から眺めつつ、地域資源についての知見を深められる機会を作っています。

感銘を受けたお話を一つご紹介します。大槌の鮭は油分が少なく水分が多い、また塩は野田塩をはじめ三陸各地で作られている、三陸地域の冬は乾いた風が吹く。以上の特徴から、三陸は鮭と塩が出会う場所であり、新巻鮭を作るのに適した環境であることがわかります、との教授の指摘に、なるほど、とうなずいてしまいました。地元の特産品について、分析、発信して頂ける人(=青山教授をはじめとする東大海洋研の先生方・学生のみなさま)がいるというのは、とてもありがたいことだと思いました。

  

④鮨辰 (大槌町末広町)

【訪問先参加者:店主 黒澤健様】

参加者はカウンター席とテーブル席にわけられて着座しました。提供メニューは、カウンター席は店主おまかせ、テーブル席は海鮮丼でした。私は海鮮丼を頂きましたが、いや~新鮮プリプリな魚介が美味しかった♪♪

オーナーの黒澤さんが、握りながら説明を進めました。素材はできるだけ岩手のものを使いたいと考えており、ガリは陸前高田の生姜、米は江刺の金札米を使用しているとのこと。震災後獲れる魚が変わってきており、水温も上昇しているようです。

ここのお店は最近きらり商店街から現在の場所に引っ越してきた、とのことで、そこに至るまでに様々なご苦労があったようです。「色々と口を出す人はいるが、そういう人は金は出さないんだよね」というオーナーのふとしたひとことに、うなずくシェフが多数いらっしゃいました。

 

⑤橋野どんぐり広場、橋野かぶ生産現場 (釜石市橋野町)

【訪問先参加者:橋野地区直売組合長 藤原英彦様、橋野かぶ生産者 小笠原みえ様】

橋野どんぐり広場までバス、そこからジャンボタクシーに乗り換えて生産現場へ向かいました。生産現場への道路は悪く、前から1台来たら後ろに下がらなくてはならない箇所もあり、大丈夫かな・・?と息をのむスリリングな移動となりました。

少し冷や冷やしながらも、無事に生産者宅に到着。ですが近くに、橋野地区にある古里の御神木があったので(ついで)視察となりました。生命力の強い、立派な巨木でした。岩手県内探せば何個あるんでしょうかねww巨木・・。

生産者の小笠原さんは橋野かぶを普段から黙々と作られていらっしゃる方のようで、お客様に話すのが苦手とのこと。そこで橋野地区直売組合長の藤原様からサポート頂き、橋野かぶについて伺いました。このかぶは寒さに強く酸味がある野菜で、おもに漬物のかぶ漬けに活用されているようです。今回は残念ながら自分が食す機会は頂けませんでしたが、機会があれば食べてみたいですね。

 

 

⑥甲子柿の里生産組合 (釜石市甲子町)

【訪問先参加者:甲子柿の里生産組合会長 藤井修一様、副会長 佐々木裕一様 ほか】

道の駅仙人峠から徒歩5分位の場所にある、佐々木さんのお宅を訪問。佐々木さんと藤井さんが迎えてくださり、外での「ムロ(柿を燻す部屋)」前での説明および、柿で埋め尽くされた小さな庭をご案内頂きました。

甲子柿の歴史は古く、約130年くらい前に茅葺の所に並べて燻していたのが始まりで、昔はおやつ代わりに食べていたそうです。現在は、「ムロ」という部屋に籾殻を広げて火を入れて燻すスタイルで、1週間くらい蒸して製品にしています。コマーシャルはしていませんが、口コミ等で人気が広がり、北海道・沖縄・九州の消費者に直接発送している、とのこと。試食でひとかけら頂くと、トロッとした食感と甘さがお口いっぱいに広がりました。

甲子柿は、大船渡市三陸町小枝地区から伝わった小枝柿(こえだがき)でしか作れません。この柿は糖度21度くらいあり、他地域のものは甘さが足りないようです。ちなみに甲子柿の甘さの秘密を以前釜石高校の生徒が調べましたが、うやむやで終わってしまったんだよね、、、とのお話に全身の力が抜けました@@。

え・・しっかり分析してくださいよ・・そこ聞きたかったのに~~。。と心の中で叫んでしまったのは私だけではなかったはず。。。

佐々木さん達は、現在この甲子柿の地理的表示保護制度(GI)を取ろうとして動いていて、生産者全員で甲子柿の質を統一し同じ品質にして、もっと全国に出荷したい、という夢を話してくださいました。

であれば、柿の種類のほかに甘さの秘密はどこにあるのでしょうか??ぜひ、その味の魅力をしっかり分析して頂き、多くの人に言葉で伝えてほしいな~と思いました。

いつの間にか、ミステリアスな甲子柿の魅力に取りつかれてしまったようですww

 

<No.3 へ続きます> ⇒ https://sanriku-travel.jp/fun/area_report/p3619

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三陸国際ガストロノミー会議2020 三陸と世界をつなぐ『食』のキャラバン 取材レポート <No.2>

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