せっかく行くなら“マスター”しよう!橋野鉄鉱山 取材レポート <前編>
釜石市が誇る近代製鉄発祥の地を、巡ってみました
- 釜石市
- 自然
- 三陸ジオパーク
県北・沿岸振興室の情報発信ライター担当・いわて復興応援隊のRIKAKOです。
7月初めに沿岸地域の世界遺産である《橋野鉄鉱山》へ、「さんりく旅しるべ」ライター@イーティさんと取材に行ってきました。
橋野鉄鉱山は世界遺産として有名な一方、「よく分からない」とも言われがちな場所。
かくいう私も出発前は「どうなるかな~…」と不安に思っていたのですが、いざ行ってみると、
とっても面白かったんです!
これまで腰が重かった皆様もこの夏はぜひ行ってみて欲しい!!
・・・そういう気持ちでレポートさせていただきます。
◆
ちなみに、私の橋野鉄鉱山に関する事前知識は、
「製鉄の発祥地、らしい…」「高炉の跡がある、らしい…」くらいのもの。
あとはポスターなどで拝見する、この(↓)イメージですね。
ごっつい石の塊にしか見えないナ~笑
・・・「よく分からない」橋野鉄鉱山なので、見学の強い味方「釜石観光ガイド会」に前もってガイドをお願いしておきました。
橋野鉄鉱山インフォメーションセンターには常にガイドさんが常駐していますが、他のお客さんと被ってしまうともったいないので、やはり事前予約がお勧めとのことです。(有料)
今回ガイドをしてくれたのは、釜石観光ガイド会事務局長兼三陸ジオパーク認定ガイドの藤原信孝さん。
https://sanriku-geo.com/geoguide/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E3%80%80%E4%BF%A1%E5%AD%9D/
釜石で生まれ、ご自身も製鉄所での勤務経験があるそうです。疑問を投げるたびに「あ~!それはいい質問ですね~ッ!」とニコニコ答えてくれる素敵な方でした。
早速インフォメーションセンター内展示室で、パネルを使った基礎知識のお勉強。
パネルはざっくりと『世界遺産・橋野鉄鉱山について』『橋野鉄鉱山の成り立ちについて』『当時の製鉄について』について学べます。
ポイント① 橋野鉄鉱山は、単独の世界遺産ではない!?
――というのはなんとなく知っていましたが(笑)、ちゃんと考えたことがありませんでした。
藤原さん曰く「橋野鉄鉱山は、例えるならA●KB48のメンバーの1人というイメージ」とのこと。
橋野鉄鉱山は正式には、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」に属する世界遺産で、南は鹿児島・長崎、北は岩手にかけて点在する30ヶ所の史跡を総称して一つにした遺産群です。
なるほど、S(産業)K(革命)I(遺産)30というわけですね!(坂道グループの仲間入りだ!笑)
※ちなみにSKI30のメンバーには、福岡県の八幡製鉄所や、軍艦島として有名な端島炭鉱の他、偉人排出に貢献した松下村塾なども含まれています。ジャンルが多岐にわたりますよね。
もとは丈夫な鉄砲を作るために「硬くて良質な鉄」を探し、掘り当てた大島高任氏。
しかしながら「農業」から「工業」へ変遷したこの時代、工場を建てるにも、黒船のような船を作るにも、蒸気機関車を通すにも「鉄」が必要だったわけで、この橋野高炉建設がいかに“肝煎り案件”だったか分かります。
史跡そのものだけではなく、産業革命に寄与した功績を称えられた文化遺産なんですね。
インフォメーションセンター内は綺麗で涼しくて、ゴクラク気分でした(トイレも綺麗でした)。
◆
パネルで基礎知識を詰め込んだら、早速屋外へ!
春に圧巻の風景を魅せる桜並木を抜けると、おお~ありました『史跡・橋野高炉跡』!
貰ったマップに載っている散策コースに沿って、一番奥にある「一番高炉」へ向かいます。(上り坂!)
その途中、何もなさそうな場所で藤原さんの足が止まりました。顔を上げてみると「種積場」の看板が。
ポイント② 何もない所に看板が立っていたら“足元”を見よ!
この「種積場」は高炉の脇にあり、鉄を作る過程で発生する「スラグ(不純物の塊)」を廃棄する場所だったそうです。そのため看板の周りには、見た目の変わった石がゴロゴロ!
ここは掘れば掘るだけこういった石がザクザク出てくるそうで、これまでに捨てられたたくさんのスラグにより小高い丘になっています。
知らなければ「なんだここ?」と見流してしまうスポットですが、こういったさり気ない人工物が出てくると、スラグをこの場所に運んで捨てていた当時の人の声が聞こえるようじゃないですか?
ロマンを感じます~!
※「種積場」の他にも、“足元”に当時を思わせる形跡があるスポットがいくつかあります。現地で探してみて下さい♪
→後編へつづく
https://sanriku-travel.jp/fun/area_report/p5292
【お問合せ先】
橋野鉄鉱山インフォメーションセンター
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020030600160/
電話:0193-54-5250
住所:岩手県釜石市橋野町2-6
利用時間:9時30分~16時30分
休館日:冬期休館(12月9日から3月31日まで)
利用料金:
〇入場料無料
〇AR映像配信用タブレット利用料 300円
〇AR映像配信用タブレット利用料A音声ガイドペン利用料 300円
〇釜石観光ガイド会へのガイド依頼については、下記をご確認ください↓↓
お問い合わせ
せっかく行くなら“マスター”しよう!橋野鉄鉱山 取材レポート <前編>
- 公益財団法人さんりく基金三陸DMOセンター
- 住所:岩手県盛岡市内丸10-1 岩手県商工労働観光部 観光・プロモーション室内
- 電話番号:019-629-5572
- Email:info@sanriku-travel.jp