【番外編☆オンライン取材 / おうちでさんりく企画⑤】三陸ジオパークのウラ話、ここまで聞いちゃいました!

~ 地層といえば五地層丼(by北川食堂)?がアタマに浮かぶド素人イーティが、聞きたかったあれやこれやについて、スタッフの方に突撃オンライン取材敢行! ~

  • 宮古市
  • 自然
  • 三陸ジオパーク

こんにちは。イーティです。

三陸ジオパークとは、青森県八戸市から宮城県気仙沼市までのエリアになり、なんと南北約220㎞、東西約80㎞あります。その海岸線は約300㎞にもおよび、日本一広大なジオパークとなっています。

詳しくはHPや動画にてその魅力をわかっていただけるものと思いますが、何しろ映像美しすぎて地層の紹介だけに、お「カタ」い内容・・。なんてったって食べ物と宝石しか浮かばない俗な自分は、やっぱりタ〇リさんのように高尚にはなれないわー・・と軽く絶望。。

しかしそれなら、私にしか引き出せない三陸ジオパークの知られざる魅力を引き出せたら面白いのかも、、と考えました(←絶望してもただじゃ倒れない・・)。

そこで、今回旅しるべライタ―・おふざけ大好き&お「カタ」いの嫌いなイーティが、「おうちでさんりく企画⑤」として、あまり知られていない三陸ジオパークのウラ話について、スタッフの方にWeb取材を行い、根ほり葉ほり聞いてみました!!

ミルフィーユを食べながら(←地層っぽいという理由でセレクトw)、珈琲でも飲みながら、お気軽にお読みいただければ幸いです (*^_^*)    

 

お話を伺った方:三陸ジオパーク推進協議会事務局 林ちはる様

<三陸ジオパーク推進協議会事務局 林ちはる様>

※綺麗なおねえさま・・ジオ以外にもあれやこれや手とり足とり教えてもらいたい~ww(えっ?!何を?!!)

 

<聞き手:さんりく旅しるべライター イーティ>

※お「カタ」いの嫌いなのよw安定のユルさ・・。

 

イーティ:林さん、今日はWeb上でお話しお伺い出来て嬉しいです!どうぞ、よろしくお願いします。 

林さん:長崎県出身で三陸ジオパークの推進員を担当しています。イ―ティさん、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。

イーティ:素朴な質問ですが、私、日本の他のジオパークと三陸ジオパークとの特徴の違いみたいなものが、イマイチよくわからなくて・・。化石や地層についても、地域ごとの特色みたいなのってあるんですか?日本の他地域のジオパークと比べて、三陸ジオパークの見てほしいポイントって、どういうところにあるのでしょうか? 

林さん:そうですよね。日本各地にジオパークがあるので、何が違うのと思いますよね。違いが分かるように、まず、私の出身地である長崎県のお話からしますね。長崎県には、「島原半島ユネスコ世界ジオパーク」があります。日本のジオパークとして最初に認められたジオパークの一つで、名前のとおり世界のジオパークにも認められています。日本と世界の違いまでお話すると難しくなってしまうので、省きますね。見どころは「雲仙火山」で、「火山」の恵みや火山災害の歴史を見学できるところですね。

 

   

(島原半島ユネスコ世界ジオパークのガイドブック と 雲仙火山:HPより)

 

林さん:では、三陸ジオパークは何かと言いますと、見どころは「美しい景観美」で、「海や大地」の恵みと津波災害の歴史を見学できるところですね。「さんりく旅しるべ」のHPにVR動画が掲載されていますので、まずは見てください(下記URLページ参照)。美しくてダイナミックでしょう!このような景観美が沢山あるんですよ。

 

☆さんりく旅しるべ ~三陸観光ポータルサイト~

https://sanriku-travel.jp/know/area_info/p2920/

 

林さん:また、津波災害についても学べるし、歴史も見学できます。もちろん、「海や大地」の恵みも豊富で、同じく「さんりく旅しるべ」のHPに美味しい食べ物が沢山掲載されていますよね。 

ちなみに、ちょっと難しくなるかもしれませんが、島原半島ユネスコ世界ジオパークと三陸ジオパークで共通なのは、災害を経験し、その災害で得た経験を情報発信するところです。火山の地形は「積もる」というのがキーワードです。津波は水の働きが強いので、「削る、運ぶ、積もる」というのがキーワードです。 

大地の積み重なった層を地層というのですが、主に水の働きで砂や泥などが水平に重なって、大抵は上に新しい物が積もります。地層は大地の歴史を教えてくれる存在なのです。また、火山灰、砂や泥など積もって「堆積岩」という岩石ができます。その中に生き物が埋まって「化石」ができます。 

三陸ジオパークのエリアには、「化石」がきれいに残されている所が多くあります。三陸ジオパークに来て見て欲しい物ですね。貴重ですので、採取は制限されています。採ってはダメですよ。 

イーティ:私的に化石はどうしてもグレーや白い色の地味なイメージがあります。しかしながら久慈で採れる琥珀なんかは、イエローとブラウンのマーブルみたいな模様が特徴のとても綺麗な石で、磨き上げれば宝石になってアクセサリー等に変身するので、販売可能な石といえるかなと思えるのですが、三陸の他地域でも宝石になるような石って、あるものなんでしょうか? 

 

 

(久慈琥珀原石《左》と、久慈琥珀アクセサリー見本《右》)

 

林さん:実際の物を見てみると分かりますが、一例として、マグマが造った石の中には、多くのつぶつぶ、鉱物の結晶があります。そのつぶつぶ。「鉱物」というものが、大きく育つと、紫色をしたアメジスト、薄紅色をしたローズクォーツになったりします。非常にきれいですよ。

ただ、鉱物結晶が大きく育つには時間が必要です。火山から吹きだすマグマの中の結晶は、時間が短いので育ちが悪いですが、地下深い所では長期間熱々のままなので結晶が育ちやすいです。また、宝石珊瑚などのように、生き物などの殻やサンゴなどが積もってできる石もあるんですよ。他にも、マグマの熱を帯びると変化して、別の石を作り出すものがあります。野田玉川にある「マンガン」がそうです。そばには「バラ輝石」というものがあります。

 

(野田玉川のマリンローズ野田玉川:バラ輝石)

 

林さん:そうそう、お米どころの新潟県に「糸魚川ユネスコ世界ジオパーク」があります。この糸魚川には、「ヒスイ」という石があり、元の岩石がマグマの熱や圧力で変化してできた石です。「鉱物」のお話を最初に触れましたが、ヒスイも鉱物です。アクセサリーや工芸品として広く使用されていて、緑色をしたイメージですが、白っぽい色もあります。

 

 [15KB]

(ヒスイ:イメージ図)

 

林さん:あんまり大きな声で言えないけどジオパークって、名前のとおり大地に関係があるから価値のある化石や石が多いのよ。けど、先ほど言ったように、採取は禁止ですからね。

イーティ:あれ?採取禁止2回言われちゃった。。!!なにゆえに綺麗な石を質屋に持っていけたらいいな、といったよこしまな考えバレちゃったのかなあ・・。もう公になっちゃったから厳しいですね。。 反省します・・( 一一) 

イーティ:そういえば岩手の三陸沿岸部の砂や石について、地域によって違った特徴があるらしい、と職場の仲間から聞いたのですが、本当でしょうか?だとしたら、どのような違いがあるのでしょうか?見た目は変わらないんですよね。 

林さん:そうよね。見た目では分からないよね。例えば、北上山地の最高峰、「早池峰山」という山があります。標高1,917メートルの山で、ハヤチネウスユキソウというかわいらしいお花が見られます。

その山を境に、南と北で異なっていると言います。南は、5億年ほど前に赤道付近にあった大陸の一部が移動してきたものです。北は、3億~1億数千万年前の海の底に積もった、生き物の殻、砂、泥などが移動してくっつきながらできたものです。海面の上下や、大地の隆起によって今の姿を造りだしています。このため、岩手の三陸沿岸部の砂や石は、地域によって違った特徴があるんですよ。

イーティ:なかなか深いですね~。

 

【北部と南部の特徴と違い】

 

 

イーティ:ジオパークといえば、高山植物も色々見られますよね。ちなみに三陸ジオパーク内で、とくにこれは見ておいたほうが良い!といった、おススメの高山植物が見られる地域ってどこですか?全国の高山植物ファンに、ぜひ教えてほしいです!!私が見たものでは、田野畑村のシロバナシャクナゲなんかは可憐で清楚で、綺麗な花だなと思っています。 

林さん:田野畑村北山崎のシロバナシャクナゲはきれいな花ですね。「シャクナゲ」は、ツツジ科の低い樹木になります。きれいな花を6月ころから咲かせて楽しませてくれます。間もなくでしょうか? 

 

(田野畑村で見られる花:シロバナシャクナゲ)

 

林さん:高い山に登ると、小さくても力強く咲くお花は、登山で疲れた人々を勇気づけてくれたりもします。早池峰山には、「ハヤチネウスユキソウ」という植物が咲き人々を癒してくれます。まだ、実際に見ていませんので、一度見てみたいと思っています。 

 

(早池峰山で見られる花:ハヤチネウスユキソウ)

 

林さん:三陸ジオパークの中では、様々な植物を楽しむことが出来ますよ。南の方の植物や北の方の植物など、どちらも楽しめるのが三陸ジオパークエリアかもしれません。それは、海の海流、「親潮」と「黒潮」に関係した気候によるものかもしれません。冷たい「親潮」は、冷たい空気を運んできてくれます。梅雨時期になると暖かいはずなのに、「ヤマセ」という冷たい風が海の方から吹いてきて、気温が下がります。その影響が気温の低い所を好む植物が、海岸沿いの低い土地でも咲いている理由にもなりますね。なので、シロバナシャクナゲが太平洋側の海岸線に存在するのは珍しいですし、ハヤチネウスユキソウのような高地の植物がかなり低い場所まで植生しているのは、こうした地質や地形、地形的な特異性、気候によるものなんですよ。

イーティ:ジオの地層を見るだけではなく、高山植物を見つけながら歩くのも楽しそうですね。癒しになります。 

イーティ:ちなみに食いしん坊の方向けの質問です。今現在、三陸ジオパークをイメージしたお土産・お料理って、代表的なものでおススメって、ありますか?形がジオをイメージしている!とか、味がジオっぽい(?)などなど、あればぜひ教えてください。 

林さん:地域によっては、ジオパークのサイトを模して作った料理やお菓子などで楽しませてくれています。その一例で、田野畑村を紹介します。田野畑村は、以前からジオメニューを開発しています。私的には、北川食堂の「ジオカツカレー」というメニューは、食いしん坊の人も大満足させてくれると思います。(写真①)

イーティ:おお~見た目からしてお肉の重なり具合が地層っぽいですね!!

 

(①:北川食堂のジオカツカレー)

 

林さん:食後のデザート、お菓子3品を紹介します。大槌町の「ひょうたん島クッキー」(写真②)、山田町の「オランダ島」饅頭(写真③)と宮古市田老地区の「かりんとう」(写真④)です。是非見つけて、召し上がってみてはいかがでしょうか?  

 

    

(②:大槌町のひょうたん島クッキー)    (③:山田町のオランダ島饅頭)

 

(⓸:宮古市田老のかりんとう)

  

イーティ:見た目ぜんぶ茶色ベースで、やはりビジュアル的に地層が浮かびますね。売店でお菓子を見つけたら、さっそく頂いてみたいと思います!(^^♪

イーティ:最後になりますが、 三陸ジオパークの魅力をひとことで表現すると、どんな言葉に集約されますか?この記事を見ていただいた方で、興味を持った方がいるかもしれません。新型コロナウイルスが終息した後、三陸ジオパークを巡ってみたいと思っていらっしゃる方へ、ぜひPRをお願いします! 

林さん:大きさ、美しさ、おいしさ、どれも一番かと思います。日本一広い三陸ジオパークは、美しい海岸と景観美、早池峰山の様な山々、植物などが目や気持ちを癒してくれます。親潮と黒潮、川から運ばれる豊富な栄養がぎっしり詰まった海産物は、胃袋を満たしてくれます。海成段丘がつくる平原で牧畜が盛んな内陸部では、ヨーグルトなどの乳製品が楽しめます。 

 

  

    (田野畑村北山崎)     (田野畑村産業開発公社の乳製品)

 

林さん:津波災害の経験を持つジオパークですが、豊かな資源がそこに存在し、神楽などの伝統芸能の文化もあります。季節ごとに変化する景色は、カメラ愛好家にも好まれると思います。食なども各地域で様々楽しめる三陸ジオパークへ是非お越しいただき五感で味わっていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 

イーティ:林さん、丁寧にご対応頂きありがとうございました!三陸ジオパークが、ちょっと身近に感じるようになりました。ジオパークの地形は、ちょうどみちのく潮風トレイルルートにもなっている場所が多く、トレッキングにも最適ですよね!

  

みなさまもコロナが落ち着きましたら、ぜひご家族ご友人同士で、遊びに来てくださいね。

私のはかない宝石採取の夢は絶たれましたが、現実を知れて良かったです笑

 

  

<三陸ジオパークについて お問合せ先>  

三陸ジオパーク推進協議会  電話番号:019-364-1230

環境生活部 環境生活企画室ジオパーク推進担当  電話番号:019-629-5326

お問い合わせ

【番外編☆オンライン取材 / おうちでさんりく企画⑤】三陸ジオパークのウラ話、ここまで聞いちゃいました!

  • 公益財団法人さんりく基金三陸DMOセンター
  • 住所:岩手県盛岡市内丸10-1 岩手県商工労働観光部 観光・プロモーション室内
  • 電話番号:019-629-5572
  • Email:info@sanriku-travel.jp

関連する記事はこちら

近隣のスポット