令和5年度三陸観光プランナー養成塾(第2回)開催レポート★in弘前

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2024年2月6日(火)~2月7日(水)の2日間にわたり、本年度の第2回養成塾を開催しました!第2回は岩手県を離れ、近隣県の青森県弘前市での視察を行いました。

〇今回の実施目的

 ECサイトでの観光体験コンテンツの販売や、地域での観光人材の担い手になりえる人材の発掘方法や育成方法等の仕組みについて学ぶ。

 

養成塾(第2回)のおもな内容

黒石市の観光とまちづくりの取組について(黒石市商工観光部観光課)

今回の視察の目的地である青森県弘前市にいく途中、黒石市にて昼食をいただきました。黒石市の郷土料理であるイカメンチや黒石つゆ焼きそばなどが出てきて、参加者の皆さん、舌鼓。
・ごはんを食べ終わった後は、黒石市の商工観光部観光課の方々から黒石市での観光の取組(和ヴィーガンなど、ヴィーガン対応にも力を入れているそう)や重要伝統的建造物群保存地区を活用したまちづくりについてお話をしていただきました。
・その後は、観光課の方にご案内をいただきながら、昔の街並みが残る、中町こみせ通りを見学。まちづくりと景観保存の活動が観光に生かされている様子を肌で感じました。

自社ECサイトでの体験型観光コンテンツの販売(一般社団法人Clan PEONY津軽)

・黒石市を後にし、今回の視察の目的地である青森県弘前市に到着。津軽圏域の14市町村で構成する地域連携DMOの一般社団法人 Clan PEONY 津軽から、自社ECサイトにて、自身の構成市町村である14の地域にある体験コンテンツの販売や広報を行っている活動について話を伺いました。

・現在は自社ECサイトにて多数のコンテンツを取り扱っているとの説明もありましたが、販売当初はコンテンツの掲載希望事業者が少なかったそうで、事業者同士の口コミ等を通じて現在の取り扱いまで増えていったそうです。

・そうした話を受けつつ、ECサイトに掲載するコンテンツのクオリティをどのように保っていくか、販売に繋げるためのプロモーションについてはどのように行ってきたのかなどをお話いただきました。

・印象的だったのは、自社ECサイトでの販売だけではなく、最近では他社サイトからの申込の流入が目立ってきているとのお話。自社だけではなく、他団体とも協力を図りながら販売網を広げていく方法が徐々に実を結んでいるとのことです。

・地域でコンテンツをどのように集め、まとめ、周知し、販売していくかという点について、参加者の皆さんも、自身の気になるところについて積極的に質問を行われていました。

・また、そうした活動とは別に、各構成市町村の観光案内所や宿泊施設にツアーデスク(ツガルツナガルコンシェルジュ)を設置し、構成市町村同士が互いの体験型観光コンテンツを案内出来るようにする取り組みを始めているなど、自身の地域だけに収まらず、津軽圏域という広い視野で協力関係を構築されているのが印象的でした。

ワークショップ

お話を受けた後は、塾生同士のワークショップを実施。参加者同士の地域でどのような体験コンテンツの販売が可能かブレインストーミングを行い、グループ毎に発表を行いました。

 ヒトとヒトが繋がる場(ORANDO PLUS)

・2日目の始まりは、青森県弘前市でカフェ&バー、ギャラリー、ゲストハウスからなる小さな複合施設「HIROSAKI ORANDO(ヒロサキ オランド)」を運営するORANDO PLUSの代表、石山紗希さんからお話を伺いました。

・こちらでは「HIROSAKI ORANDO(ヒロサキ オランド)」をハブとしながら行われている起業家育成支援事業や大学生インターンシップ受入れ、関係人口創出事業の実施(市内企業の新規事業の手伝い、課題解決型のプロジェクト、ねぷたを通じた交流事業等)などの、「ヒト」を繋げることを意識したコンテンツについて伺いました。

・ヒトとヒトとが繋がって、その地域にしかない、新しい観光コンテンツが生まれていく過程を知れた気がします。

 観光人材の担い手になりえる人材の発掘方法や育成方法(ひろさきガイド学校)

・2日目の最後に話を伺ったのは、ひろさきガイド学校。
こちらでは、ガイドの活動スタイル(有償・無償/日本語・外国語)に関わらず、多様なガイド人材を育成しており、観光事業に普段から従事されている方々以外の様々な職業の方々も受講されたそう。

・学校を始めた背景には、新型コロナウイルスの感染拡大により、弘前市内のほとんどのガイド活動が一時停止してしまったことがあり、市内にガイドがいなくなってしまう危機感から行政・観光事業者・ガイド団体等が集まり意見交換会を始めたのがきっかけだったとのこと。

・そこから、若年層ガイドの育成、インバウンドに対応出来るガイドの育成、広域観光に対応するガイドの育成、入口の育成から出口の活動支援まで一貫した取り組みを行うことを確認し、2023年に開講。開講初年度となる2023年は定員70名のところに90名程の応募があったとのことで、その中には県外からの受講生もいたそう。

・お話を伺った後、今回の視察では、今年度のガイド学校の卒業生の方々に弘前公園内を案内していただきました。

・私たちの案内が有償ガイドとして初実践とのことでしたが、堂々としたガイドで、有償ガイドとしてこれから活動を頑張っていきたいという意欲ある方々でした。

・初年度を終えて、様々なところ改良するべき点もあったそうですが、5年後、10年後、有償ガイドとして生計を立てていくことが出来るビジョンを示していきたいとのお話もされており、人口減少、高齢化が進む地域で、どのように観光人材の担い手になりえる人材を発掘していくか、また育成していくかという問いへのヒントになったのではないでしょうか。

 

令和5年度第2回養成塾は、おもに以上の内容にて実施いたしました。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いします。