陸前高田市立博物館 フォトレポート

2022.11.5~利用開始!被災から11年目で、待望のオープンです!!

  • 陸前高田市
  • 施設

こんにちは。県北・沿岸振興室のいわて復興応援隊・RIKAKOです。

2020年から新築工事が進められていた『陸前高田市立博物館』が、本年11月5日にいよいよオープンいたしました。

建物自体は昨年の8月に完成していましたが、長い枯らし期間(養生期間)を経ての開館となりました。

この耳慣れない言葉、”枯らし期間”とはなんのことでしょう?

これは、美術館では建築工事ののち、壁に塗った塗料などが作品に影響を及ぼして変色させたりする可能性があるため、

完成後数カ月ほど室内環境を整えて、展示品がゼロの期間を置いています。

これを、”枯らし期間”というそうです。

満を持して!という言葉がふさわしいでしょうか^^

どんな施設なのか、皆さんも(きっと)知りたいですよね?

さっそく取材してきましたので、フォトレポートでご紹介したいと思います!

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博物館全景(左)と、入口(右)。

 

こちらの博物館は、東日本大震災津波により被災した「旧陸前高田市立博物館」と「海と貝のミュージアム」を合わせて

1つにしたもので、県内3ヵ所目の「公開承認施設※」だそうです。

※「公開承認施設」…国宝や重要文化財なども展示できる博物館のこと。

〔エントランスホール〕

館内に入ると、木目調が暖かなエントランスホールに開館を祝うたくさんの花が。

木材もふんだんに使用されていて、市内の他の建築物・東日本大震災津波伝承館や陸前高田市役場等と同じく、

スタイリッシュな雰囲気を感じられます。

広さも十分なので、団体での来館も問題なさそうです。

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その一角に、やけに明るい部屋があるのが目につきました。(写真中央の真っ白な部屋)

なんだろうと思いながら近づいてみると...、なんと修復作業室!

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この日は、古書の劣化した部分の下に和紙を重ね、ピンセットで丁寧に張り付ける作業をしていました。

この部屋の様子を見て、学芸員や考古学者、また文化財の修復に興味を持つ子供も出てくるかもしれませんね。

(帰り際にはスタッフの方はご不在だったので、運が良ければ見られる…という感じなのかも。)

〔常設展示室〕

さて、さっそく常設展示へ進みます。きっと皆さんも後々足を運ばれると思うので、ポンポン進めましょう!

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最初に出迎えてくれるのは、土器の上に乗せられた動物の頭骨と1枚の紙。

紙には「博物館資料を持ち去らないで下さい。高田の自然 歴史 文化を復元する大切な宝です。県教委」と書かれています。

これは東日本大震災の時、被災した博物館の作業室に誰かが残した書置きを再現したもので、

博物館再建の原点といえるものだそうです。

展示は9部構成。

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陸前高田市で育まれてきた「文化」について、地形や生態系、人々の生業、災害史などの様々な視点から紹介しています。

光や音・映像を使ったギミックも豊富で、子供も大人もワクワクする工夫があちこちにありました。

常設展示室の中央「貝たちの部屋」には、日本科学博物館から帰ってきたツチクジラの実標本「つっちぃ」が展示され、

隣には「発見の部屋」という、子どもの学習意欲をバシバシ刺激してくれそうなエリアもありましたよ♪

個人的に注目したいのは、「よみがえる博物館」というコーナー。東日本大震災で被災した文化財をどうやって復元したのか、

その経過について、たくさんの写真と共に展示されています。

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汚水にまみれた資料が入ったパレット(再現)が重ねられた印象的な展示。

常設展示室を出ると、机の上に「あなたの“たからもの”はなんですか?」と書かれている青いカードとペンが。

来館者が自由に書き込んで掲示できるのですが、ここがまた素敵なのでぜひ見逃さないよう・・!

自分の直筆文章を、施設内に飾ってよいとは。

「足跡が残せる」形での、ステキな来訪記念になりますね。

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〔展望テラス〕

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最後に屋上の展望テラスへ。エレベーターもありますので、階段が不安な方でも問題ありません。

上がってみると、なにかスポーツでもできるんじゃない?!と思うほどに広いテラスが!

遮るものがない分、市街地をよく見渡せました。

〔特別展示室〕

常設展示室のほか、特別展示室もありました。

こちらでは、来年1月15日まで『開館記念特別企画展 ずっと ずっと ふるさと陸前高田~よみがえったふるさとの博物館~』

を開催中です。博物館の再開にあたってのゆかりの品々が展示されています。

私が見学している間にいらっしゃったご夫婦が「懐かしいね、こんなのあったね」といいながら展示を見ている様子に、

心が温かくなりました。

この新しい博物館も、末永く地域の人に愛される存在であってほしいですね。

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足早ではありましたが、以上です。

一周回ってみて、「メッセージ性」が強い博物館だという印象を受けました。東日本大震災津波を経たからこその展示が数多くあり、

文化財を保存し続けることの重要性や、博物館の存在意義まで考えさせてくれるような場所でした。(※個人の感想です!)

なんと言っても【無料】で入れるというお手軽感!

特別展示を行う場合は、展示内容に応じ観覧料を徴収する場合があるそうですが、ふらっと立ち寄りがしやすい施設になっています。

1周にかかる時間もそこまで長くはないので、近くまで行った際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

<建物概要>

陸前高田市立博物館

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●所在地:岩手県陸前高田市高田町並杉300番地1

●開館時間:午前9時から午後5時(最終入館は午後4時30分)
●見学所要時間:約1時間~2時間(個人差あります)
●観覧料:無料 (特別展示を行う場合は、展示内容に応じ観覧料を徴収する場合があります)
●駐車場:アバッセたかた前の公共駐車場を利用(障がい者専用の駐車スペースはありました)
●定休日:月曜日
●お食事処:なし(アバッセたかた周辺をご利用ください)
 

https://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/soshiki/kanrika/hakubutsukan/index.html

お問い合わせ

陸前高田市立博物館 フォトレポート

  • 公益財団法人さんりく基金DMO事業部(三陸DMOセンター)盛岡駐在
  • 住所:岩手県盛岡市内丸10-1 岩手県商工労働観光部 観光・プロモーション室内
  • 電話番号:019-629-5572

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