令和4年度盛岡第三高等学校第一学年 総合探究授業同行レポート★陸前高田コース
- 陸前高田市
- 自然
- 海
- 震災学習
【プログラム内容】
陸前高田市コース
震災からの復興 新たな産業/地域コミュニティ
1.高田松原津波復興祈念公園パークガイド
<プログラム提供者>
高田松原津波復興祈念公園パークガイド(陸前高田市観光物産協会在籍) 小林 大樹 氏
高田松原津波復興祈念公園パークガイド(陸前高田市観光物産協会在籍) 多勢 太一 氏
2.高田松原海水浴場再生活用/フレスコボール体験
<プログラム提供者>
林業・木工業 平山 直 氏
3.津波浸水区域新規事業/ピーカンナッツ農場見学
<プログラム提供者>
一般社団法人・ピーカン農業未来研究所 代表理事 大林 孝典 氏
【プログラムコーディネート】
一般社団法人陸前高田市観光物産協会 小林 大樹 氏
一般社団法人陸前高田市観光物産協会 多勢 太一 氏<
1.高田松原津波復興祈念公園パークガイド
当日(実施日:10月中旬)、快晴ながらもやや浜からの風が強い中、学生36名で陸前高田市での探究学習が始まりました。
今回は3つの学習項目(津波復興祈念公園パークガイド、ピーカンナッツ農場見学、フレスコボール体験)を午前から午後にわたって体験する内容です。男子生徒グループと女子生徒グループの2グループに分かれ、まずは津波復興祈念公園のパークガイドからスタート!
午前中は、男子生徒グループに同行し、津波復興祈念公園のパークガイドもされている陸前高田市観光協会の多勢さんから、震災遺構とされているタピック45や陸前高田ユースホステル、奇跡の一本松を回りながら、震災当時何があったのか、震災から現在になり、今どのような活動が行われているのか、過去だけではない、今現在の動きについてもお話を伺いました。時折、何故、奇跡の一本松だけが津波後に残っていたのかといったクイズなども出題され、生徒たちも、こんな理由かな、あんな理由かなと色々と自身で震災について考える光景もありました。
また、今回はパークガイドが同行していないと入ることが出来ない、タピック45の内部も見学することも出来、ヘルメットを着用の上で内部に移動。大きな地震にも耐える設計になっていたという耐力壁が大津波によって破壊された様子を目の当たりにして、生徒たちも驚いている様子でした。
2.高田松原海水浴場再生活用/フレスコボール体験
午後からは女子生徒グループを案内している陸前高田市観光協会の小林さんに同行し、陸前高田市で現在話題のビーチスポーツ、フレスコボールを体験しました。本来であれば、高田松原の海水浴場でフレスコボールを体験する予定でしたが、強風のため、今回は屋内施設で体験を行うことに。
フレスコボールはブラジル発祥のスポーツで、ラケットとボールを使って相手とラリーを行います。特徴的なのは、ラリーをする相手を倒すスポーツではなく、相手とのラリーをいかに続けるかという、相手への思いやりが必要になる点。
この相手を思いやる、やさしいスポーツととらえることができるフレスコボールは陸前高田市が掲げる「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」にぴったりとのことで、陸前高田市で復活した海水浴場でフレスコボールの体験会が行われたり、フレスコボールの大会招致をおこなったりと陸前高田市でフレスコボールを中心とした新たなコミュニティも広がりを見せているそうです。
今回は1時間ほどの体験となりましたが陸前高田市で林業、木工業を営み、地元の気仙杉を活用したフレスコボールのラケットづくりを行っている平山直さんから、ラリーを続けるための秘訣などを教えてもらいながら、生徒たちも熱中してそれぞれボールを打ち返していました。
1分間のうち、ペアで何回ラリーが続くかというチャレンジでも、20回以上ラリーが続いたペアや、あまり続かなかったペア、それぞれいましたが、誰もが楽しそうに笑顔になっていたのが印象に残っています。
3.津波浸水区域新規事業/ピーカンナッツ農場見学
フレスコボール体験を行ったあとは、津波浸水区域で新規事業として陸前高田市で行われているピーカンナッツの農場を見学。
フレスコボールの時と同じく強風が吹いていたため、農場を間近で見た後はピーカンナッツチョコレートの製造販売を行っているサロンドロワイヤルタカタ本店の一角をお借りして、一般社団法人・ピーカン農業未来研究所の代表理事、大林孝典さんから陸前高田で行われているピーカンナッツ事業について説明を受けました。
陸前高田市では東日本大震災のあと、高齢化や農業で食べていくことが難しい状況から農業従事者が少なくなっていくなかで、震災から立ち上がる一つのプロジェクトとして東京大学、サロンドロワイヤルと共同でピーカンナッツプロジェクトを始めたそうです。
津波で浸水した地域に植えられたピーカンナッツの苗木9品種550本はまだまだ成長中で、そのピーカンナッツを収穫できるようになるのは、今講話を聴いている生徒たちが20歳になる、4年~5年先のころではないかと大林さんはいいます。その収穫されたピーカンナッツを加工・販売し、地域での6次産業化のシンボルとなることを目指すというお話を受けて生徒たちからも、ピーカンナッツに関する様々な質問が出てきます。
その一つ一つに丁寧に答えを返す大林さん。講話の始めにはピーカンナッツのことを知っている人いますかという大林さんの問いに数人の生徒しか手を挙げていませんでしたが、終わりには多くの生徒がピーカンナッツのこと、そしてそれを活用した陸前高田市での取り組みを知ることが出来たのではないでしょうか。
講話が終わったあとは、ピーカンナッツを活用したチョコを販売するサロンドロワイヤルタカタ本店を見学。地域に密着した活動も行うお店のおいしそうなチョコレートを生徒の皆さん興味深く見ていて、一部の生徒たちが購入もしていました。
今回の総合探究学習では、震災当時、陸前高田市で何が起こったのか、それを自分事に置き換えたときにどういった対応が出来るのかを考えたり、震災からの復興がどのように行われてきたのか、スポーツや産業といった様々な視点を通じて考える機会となってくれたのではないかと思います。
プログラムご対応いただきました平山さん、(一社)ピーカン農業未来研究所の大林さん、パークガイドおよび全体のコーディネートをしていただきました(一社)陸前高田市観光物産協会の小林さん、多勢さん、誠にありがとうございました。
※注意※
行程内ではマスク着用・手指消毒を心がけ、全体写真の時だけ、マスクを外しております。
<本編でご紹介した団体・施設のご案内(※ホームページ情報があるもののみご紹介します)>
☆(一社)陸前高田市観光物産協会
☆東日本大震災津波伝承館
https://iwate-tsunami-memorial.jp/
☆サロンドロワイヤルタカタ本店
https://www.s-royal.com/takata/
【レポート:三陸DMOセンター 観光プロデューサー 金野】
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