令和4年度盛岡第三高等学校第一学年 総合探究授業同行レポート★大槌コース

  • 大槌町
  • 自然

【プログラム内容】

大槌町コース 

震災で培った地域コミュニティと新たな水産業の可能性を学ぶ

 

1.薪(まき)割り体験/大槌ガイド/震災講話

<プログラム提供者>

NPO法人吉里吉里国 代表理事 芳賀正彦 氏

NPO法人吉里吉里国 事務局長 松永いづみ 氏

2.天然鮭から養殖サーモンへ〜岩手大槌サーモンの取り組み 講話

<プログラム提供者>

大槌町産業振興課 養殖サーモン推進担当 黒澤勉 氏

 

【プログラムコーディネート】

一般社団法人 大槌町観光交流協会 観光コーディネート 服部 真理  氏

1.薪(まき)割り体験/大槌ガイド/震災講話

######

当日(実施日:10月中旬)は快晴で、絶好の探究授業日和になりました。学生37名を2グループにわけて、蒔割り体験or大槌ガイドを交代で実施しました。

蒔割り体験は、はじめ吉里吉里国サポート講師による説明と実演をした後、生徒1人につき1人分の蒔割りスペースが準備され、そこで各自が蒔を割りました。初めは皆うまく割れなかったのですが、だんだん上手く割れるようになると、生徒さんたちに笑顔が見えてくるようになりました。作業に慣れてきて、もっとやってみたい・・!と思った男子学生さんは、わざと太い蒔を選び、チャレンジしていました(綺麗に割れたら周囲からの羨望の眼差しがプレゼントされますから、気分がイイですよね^^)。

上手く蒔割りできなかった生徒には、芳賀さんが丁寧に指導してくれました。

###

一方大槌ガイドは、松永事務局長から事務所裏手にある鶏小屋、ピザ釜、防潮堤についての説明がありました。

吉里吉里漁港に近いこちらの防潮堤(上写真・左)は、見てのとおりそんなに高くありません。津波時に時間稼ぎの入口としての活用を想定しているとのこと。被災地では防潮堤を新たに建設する時、高さについては様々な議論がありました。人命優先で高く作るに越したことはない・・のですが、車窓からせっかくの綺麗な海が見られなくなるのも、残念ですよね。。

ここの地域については津波被害については「ある」ことを想定のもと、この高さの防潮堤になったようです。

最後は、集合写真を撮って終了です。

この後は場所を安渡公民館に移して、芳賀さんの震災講話を伺います。

###

震災講話がはじまりました。芳賀さんが震災を経験し、避難所で眠れない日々を過ごす中、焚き火の炎を見ていると心が落ち着いたということが、吉里吉里国設立のきっかけにつながったお話のほか、震災で亡くなった方の分まで生きていこう、と決意し、活動を始めた時の状況等を語ってくださいました。

震災後、避難所に速やかに吉里吉里地区の災害対策本部を設置し、住民が一致団結して、避難所の運営等の対応にあたったそうです。又生徒さんからの、『震災後の大変な時になぜまとまることができたのですか?』という質問については、日ごろから住民同士の交流があったからこそだよね、とお話してくださいました。

震災がきっかけで、ほかの地域に移住する人も少なくない中で、ここで生きていく、と覚悟を決めた人のお話を伺い、生徒の皆さんはどう感じたのでしょうか・・。移住することが良い、悪いということはいったんさておき、覚悟を決めたその道を邁進する芳賀さんの人としての生き方は、震災から逃げるわけでもなく、真正面から乗り越えていこうとする真摯な思いが伝わってきました。

講話のあとは、昼食時間を経て町の中心部複合施設「おしゃっち」に移動します。

2.天然鮭から養殖サーモンへ〜岩手大槌サーモンの取り組み 講話

###

おしゃっちでは、大槌町役場産業振興課の黒澤さんによる、岩手大槌サーモンの取り組みについて講話をいただきました。人口減・資源減でサーモンの自然捕獲が厳しくなっている現状を踏まえ、養殖にかける強い思いを知ることができました。近年になり試験化養殖から事業化養殖になり、今後一層の生産性向上につとめたい、とのこと。

サーモン養殖は現在、久慈・宮古でも行われており、どこの場所のサーモンでも味は変わらず美味しい、ということで地域性と味の特徴はないそうです。ちなみに県内スーパーだと、5~8月に出回るようですね。年中食べられる日がいつか来るのでしょうか・・・楽しみに待ちたいと思います。

###

お話も終わり、サーモンへの期待が高まるその時がやってまいりました・・!(もしやもしや・・・)

なんと、大槌サーモンの試食時間が設けられました!!

綺麗なオレンジ色したサーモンの切り身が、ライトの光に照らされ眩しいですね。。。

生徒たちが大喜びで食べていました。少量でも現地の新鮮な食材を食べられる経験は、改めて大事だな~と思いました。食の感動は、地域の魅力をより一層、ぐぐっと高めてくれます。

##

最後、集合写真を撮って終了です。おしゃっち施設内ではキーホルダー等のお土産販売スペースもあり、一部の生徒たちが購入しておりました。おしゃっちでお土産だって、買えるんですよ、皆さん・・・!

お立ち寄りの際には、ぜひご利用ください♪

※注意※

行程内ではマスク着用・手指消毒を心がけ、全体写真の時だけ、マスクを外しております。

今回の総合探究授業では、震災学習で、災害時の心構えや生きていくための知恵を学び、食の魅力で、地域の良さを再発見できました。

生徒の皆さんが成人してからも、また三陸地域に足を運んで頂ければ嬉しく思います。

今回、プログラム提供くださいましたNPO法人吉里吉里国の芳賀さん、松永さん、蒔割りサポートいただいた講師の皆様、 大槌町役場産業振興課の黒澤さん、ありがとうございました。

あわせまして全体コーディネートいただいた(一社)大槌町観光交流協会、服部さん(※三陸観光プランナー第一期生)にも、お力添えいただき、無事スケジュール通りに進行することができました。ありがとうございました。

<本編でご紹介した団体・施設のご案内>

☆NPO法人吉里吉里国

https://kirikirikoku.org/

☆安渡公民館

https://www.ria.co.jp/architecture-gallery/大槌町中央公民館安渡分館・避難ホール

☆おしゃっち(大槌町文化交流センター)

https://www.town.otsuchi.iwate.jp/gyosei/docs/434064.html

☆大槌サーモン ユーチューブ

https://youtu.be/M3EqRX_5UvE

【レポート:三陸DMOセンター いわて復興応援隊 イーティ】

お問い合わせ

令和4年度盛岡第三高等学校第一学年 総合探究授業同行レポート★大槌コース

  • 公益財団法人さんりく基金三陸DMOセンター
  • 住所:岩手県盛岡市内丸10-1 岩手県商工労働観光部 観光課内 グーグルマップで開く
  • 電話番号:019-629-5572

近隣のスポット