更新日 2020年10月20日
令和2年度盛岡第三高等学校第一学年 総合探究授業同行レポート★陸前高田市コース
<プログラム提供者>
・(一社)陸前高田市観光物産協会 西條まい子・小林大樹氏(両氏とも三陸観光プランナー)
・たまご村村長「旧高田大隅つどいの丘商店街」(カフェフードバーわいわい店主) 太田明成 氏
・(株)バンザイファクトリー 兼 (一社)レッドカーペットプロジェクト 高橋和良 氏
<実施内容・・・・・ 陸前高田の未来と震災伝承を学ぶ>
・東日本大震災津波伝承館 いわてTSUNAMIメモリアル/復興祈念公園 見学
・バンザイファクトリー、レッドカーペットプロジェクト事業について代表の高橋さんからの講話と椿の木の植樹作業
《東日本大震災津波伝承館 いわてTSUNAMIメモリアル/復興祈念公園 見学》
前日の大雨では三陸地域には警報が出ていたほどでしたが、当日は良い天気に恵まれ、盛岡からの生徒48名と先生2名を乗せたバスは、予定通りに陸前高田のTSUNAMIメモリアルに到着しました。
生徒は2班に分かれ、まずは復興祈念公園「祈りの広場」まで歩き、陸前高田観光物産協会のスタッフ、西條さんと小林さんから話を聞きます。12.0メートルの高さの上から見渡せる景色はおだやかな青い海、松林を再生するために育てているたくさんの小さな松、奇跡的に残った一本松、被災した中学校の校舎、工事中の橋、多くの空き地の向こうに見える市街地、、、。 山を切り崩しそこに土を運んだ話や、遠くに見える砂浜も再生途中とのこと。今でも復興の途中であることを実感しました。
館内ではガイダンスシアターで10分ほどのビデオを上映、震災当日の様子や被災者の声やメッセージが流れ、生徒さんたちはじっと見ていました。数々の展示物にもう少し時間をかけてみたいところでしたが、震災を体験していない皆さんにどんなことが伝わったのでしょうか、、、。東日本大震災津波の発生から約10年くらい経ちますが、過去に起きたことは、未来にも多くの教訓を伝えていることを、ずっと忘れないでいてもらえたら・・と思います。
次の学習場所へバスで移動、太田明成さんのお話しを聞きました。震災後の復興まちづくりで、いろいろな話し合いの場に参加されてきた太田氏の話は、市内の至る所に建設された仮設商店街の新たな運営を担うことになるまでの当事者としての経験談としての重みがありました。
高台移転か嵩上げか、など当初の検討課題があったことや、時間のかかる復興工事の完了を待てなくて他地域に移転をした人の話もあり、どれもが被災地を代表する話でした。持参したお弁当を食べながらということで、時間の短縮を図っていましたが、ここももっと話を聞きたいと思う素敵なところでした。市内の各団体のつなぎ役として、皆が住みよく暮らしていけるように行動し続ける太田さんのバイタリティは、生徒たちにも良い影響を与えたことと思います。太田さんの経営する居酒屋の名物料理「なっちく」の想定外のプレゼントにも感激した様子でした!
《バンザイファクトリー、レッドカーペットプロジェクト事業について代表の高橋さんからの講話と椿の木の植樹作業》
続いて午後は、高田コミュニティホールにて高橋和良さんの講話です。現在生産している岩手県の木を使用したスマホケースは、予約で順番待ちが絶えないというところからどんどんと話に引き込まれていき、椿の植樹(レッドカーペットプロジェクト)に至るまでを分かりやすくお話しくださいました。
あえて地域課題を数多く抱える被災地に移住し、地域にあるもの「地域資源」を活用した事業を通じて、本当の地域おこしにつなげ、地域に住む人を雇用し、事業も地域も発展させている人が現実にいるということ。。高橋さんのお話は、生徒さんにとってあまり触れたことのない価値観を教えて頂いたように思います。
これほどまでに具体的に事業としてあらゆる展開をしている地元事業主の方から直接その経験談を聞くことができ、その想いに触れ、一緒に椿の苗木を植える。とても素晴らしい企画でした。今回植えた椿は長い時間をかけてゆっくりと成長していきますが、自分で植えた椿をいつかまた見に行きたいと思うはず。それぞれの苗木に用意してくださったネームプレートがその再会のときの目印となります。11月にかけて、1万本の苗木を植える予定だそうです。
このプロジェクトに関わっている地域の皆さんは多種多様。同じ思いをもって取り組んでいる官民連携の壮大な計画です。作業の終わった時にいただいた「椿茶」の美味しかったことも、忘れられない一コマとなりました。
なんと生徒さん達を見送った後に、スタッフの皆も植樹しなよ~とのありがたきお誘いを頂き、三高の生徒さん達と同じスペースに、私たちも植樹させて頂きました。お気遣いに感謝です(^^)/
これから社会に出ていくための進路を決めていく生徒さんにとって、今回の総合学習での様々な実体験がきっと大きな役に立つことでしょう。めったに聞けない貴重な体験談と、実際に現地に来て見て自分自身で感じたことは、決して忘れることはないと思います。
陸前高田市を持続可能な地域にしようと奮闘している、地域のカッコいい大人の皆様から良いお話を聞けて、自分にとっても素晴らしい学びの機会となりました。
【レポート:三陸ジオパーク推進協議会 いわて復興応援隊 阿部】
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