H30年度三陸観光プランナー養成塾第4回及びトライアルツアー(第9回)開催レポート★陸前高田市内
こんにちは、イーティです。
本年3月2-3日に標記養成塾及びトライアルツアーを開催し、三陸観光プランナー、観光関係事業者など約13人ほど参加しました。おもな内容をレポートします。
〇今回の実施目的
第9回テーマ: 陸前高田の建築とアートの世界を体感する
企画者:陸前高田まちづくり協働センター 種坂奈保子(第二期三陸観光プランナー)
東日本大震災により、大きな被害を受け、当時のニュースでは「壊滅」と表現された陸前高田市。
復興に向けまちづくりが進む中で、失われたコミュニティを再興するため、有名建築家が次々と新たな建物を設計してきた。また復興支援をきっかけに、市外からの来訪者の手によって、地域の伝統技術や芸術家の存在が世に知られることにもなった。もともとこの地に昔からあったものと、震災を経て変わったものや、生まれたもの。まだ知られていない、陸前高田の建築とアートの世界を体感する企画とした。また種坂氏と同じ三陸観光プランナー2期生の(一社)マルゴト陸前高田・佐々木氏、 陸前高田市観光物産協会の西條氏にも各種調整等サポート頂き、陸前高田市内のまちづくり・観光関連団体のプランナー同士で連携してツアーを組み立てることに、初めてチャレンジしたもの。
☆養成塾内容:さんりく旅しるべの活用について (北田観光P 担当)
〇おもな所感(イーティ的):
・ほんまるの家
・陸前高田市のほんまるの家に集合後、ツアーを企画した三陸観光プランナーの種坂氏から、今回の行程を写真と文章でまとめた小冊子を頂きました。このツアーに参加した人だけに贈られたので、プレミアム感が満載!種坂氏は知る人ぞ知る素敵なデザインセンスの持ち主。冊子は全編美しい写真と簡潔な文章で構成されており、余白にメモを残すことができるといった工夫がされています。
・画家 田﨑飛鳥氏紹介
・市内在住の画家である田崎飛鳥氏による絵画を通じた社会貢献活動について、お父様からお話を伺いました。彼は生まれながらにして脳性麻痺という知的障害を持っています。お父様の勧めで絵を描くようになり、震災後はショックで筆をとれない時がありましたが、その体験を絵に込めて人に伝えることに意義を見出しました。お父様からは、現在は県内大学と中学校と共同でものづくり事業を行っているほか、市で目指す「ノーマライゼーションという言葉のいらないまち」というスローガンのもと、市から田崎氏に友好都市シンガポールのマーライオンの描写を依頼されるなど、アートの活動を通じて社会貢献していることをお話し頂き、参加者一同感銘を受けました。
・ペチカ
・ペチカでは、箱根山テラススタッフも兼務する溝渕氏より建物説明(設計のポイント等)を頂きました。ポイントとしては輻射式冷暖房設備で温度ムラ対策を行っていること、外付けブラインドによる夏の遮熱を実施していること等、環境に配慮した設計となっています。また蓄熱式薪ストーブもお洒落な雰囲気抜群!薪は地元の木材を購入しており、地産地消を意識した仕組みとなっています。
・この場所は「まちライブラリー」としての活用も行っており、本は寄贈を受け付けているほか、来場した方が本を気軽に手に取り感想を記入することで、読者間の心の交流ができるようになっています。
・クラフトワークショップ【組子細工orミニ畳づくり体験】
・参加者は組子細工チームと、ミニ畳づくりチームに分かれて実施。講師から各々手ほどきを頂き、各自製作に没頭しました。当職は組子細工のコースターを作りました。講師は小泉木工所代表の中村氏で、岩手県の卓越技能者表彰されたこともある腕前の方です。コースターづくりは簡単なようで難しかったのですが、出来上がってみると下手でも上手に見えるマジック?!がかかっているかのように、なかなかの見栄えでありました。ミニ畳づくりの方は、菊池畳店の菊池氏に教わりました。参加者からは、県内某所の畳づくり体験より教え方が上手だったという声も聞かれ、とても丁寧に教えて頂いたようです。両方とも日本を感じられる体験プログラムで、インバウンドのお客様にウケそうだな~、と感じました。
・さんりく旅しるべの活用について 【ワークショップ 講師:北田観光P】
・主に以下2点について講義を行い《①ツアー企画アイデア例・②Webサイト「さんりく旅しるべ」の紹介》、ワークショップは「さんりく旅しるべの活用について考えよう~発信側からのアイデア~」として付箋に各々アイデアを考え書き出しました。参加者からは、○○万回再生とか普通にやってくれるユーチューバ―を活用したらもっと三陸が盛り上がるのではないか、三陸の美味しいパン屋情報とかあったら嬉しい、等々活発な意見が出されました。
・夕食 Bricks.808 (ブロックハチマルハチ)
・地元の食材を活用した数々の料理を囲み、和気あいあいとプランナー同士で交流を深めました。鹿肉のソテー、ホタテのアヒージョ、自家製ヤーコンサラダ、神田葡萄園のワイン等も提供頂き、参加者一同、陸前高田の食を楽しみました。
・宿泊 箱根山テラス
・宿泊は箱根山テラスを利用しました。こういうマンションあったら、住んでみたい・・笑 テレビもないので、自然の木々がそよぐ音がわかります。アメニティのシャンプー・リンス「Kune(クーネ)」の原材料の中には、陸前高田の椿油やキュウリ、柚子のエキスも入っていて、素敵でした。
・朝の風景がワンダフル!!テラスから広田湾が見え、晴れた日の眺望は美しいです。テラスで朝食を食べる事も可能で、コーヒー、お茶は朝・夜問わずセルフサービスで頂けます。
ちなみに朝食内容は、和食(ご飯、味噌汁、サバの塩焼き、ほうれん草のお浸しほか)でした。
・気仙大工左官伝承館
・武蔵館長からは、建物の建築工法等をガイドして頂きました。いつも館内にスモークを焚いているのは、床のつやを出すためだそうです。確かによく見ると、ツルツル・・!!
・今回は震災に関連したガイドはほとんどなかったのですが、阪神大震災を機に神戸市につくられた「1.17希望の灯り」から分灯されたガス灯「3.11希望の灯り」が敷地内に建てられており、震災についての話もできるため、震災学習と地域の特色ある気仙大工の伝統歴史をあわせて学ぶことが出来ます。
・高田東中学校
・高田東中学校は一般開放されていないのですが、今回は特別に副校長にご案内頂きました。東京の建築設計事務所「SALHAUS」が手がけ、2017年度グッドデザイン金賞を受賞しています。校内は気仙杉等を多く使用し都会的な雰囲気で、災害時の防災拠点にも活用できるように工夫されています。いや~豪華です。。こういう学校に通えたら間違いなくグレないだろうな~(と妄想)。体育館でライブも出来そう!
・三陸館
・三陸館は、画家の畠山孝一氏の絵画が飾られている自宅です。ところ狭しと並べられた迫力ある岩壁は、これぞジオパーク!を感じさせるものばかりでした。畠山氏は、岩が好きなそうです。それがわかる詩を、一部ご紹介します。「岩は囁き、岩は喚き、またある時は深く沈黙し、静寂が岩場のすべてを擁隠する。あたかも生命の宿るがごとくに・・・・。/ 彼らは互いに己を主張しつつ、ひとかけらの矛盾も存在せず交錯し、抱擁し合い永遠へとむかう。私はそこに限りない愉びと美しさを見る」
岩の本質を突いた言葉のふしぶしに、深い愛を感じました。
・昼食&意見交換会 農家カフェフライパン
・フライパンでのランチはメニュー2択から選択<①フライパン特製カレー / ②よねさきリンゴバーガー>。意見交換会では活発な意見交換がなされましたが、今回の企画は、震災伝承活動だけではない陸前高田の魅力について新たな一面を発見できたとの意見が多数ありました。ハイクラスやインバウンドのお客様にも満足して頂ける内容だと思った、という声もあり、旅行商品販売実現へ向けて、弾みがつきました。
第4回養成塾は、陸前高田の新しい魅力を発見した2日間となりました。
今回実施したアート・建築といったアカデミックな内容を、現在行っている震災語り部ガイド等と組みあわせることでさらに学びの幅が広がり、市内の滞在時間も長くなります。
今後、市内観光団体皆様の連携方法等を考えた上で、早速商品化へ向け弾みをつけたいと思います。
お問い合わせ
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- 公益財団法人さんりく基金三陸DMOセンター
- 住所: 岩手県盛岡市内丸10-1 岩手県商工労働観光部 観光課内
- 電話番号: 019-629-5572
- Email: info@sanriku-travel.jp